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第25回 《ジャズのイディオム?(ラヴェルの魅力②)》M・ラヴェル:ヴァイオリンとピアノの為のソナタより、第2楽章『ブルース』

2月17日(金)夜、前回のコラムで宣伝させて頂いた第11回横浜山手芸術祭ベーリックホール公演「フランスのエスプリ」が無事に終演いたしました。平日夜の忙しい中、ご来場頂いたお客様には、感謝の気持ちでいっぱいです。短い時間でしたが一緒に音楽を共有できてとても嬉しかったです。ありがとうございました。様々なご感想を頂きましたが、その中でも「特に面白かった」と言って頂いた作品M・ラヴェル:ヴァイオリンとピアノの為のソナタより、第2楽章『ブルース』について今日は書きたいと思います。

 「ボレロ」の作者としても知られるモーリスラヴェルがフランスで活躍していた時代、アメリカではポピュラー音楽の作曲家・ピアニストとしてジョージガーシュインと言う人物が大変な人気を博していました。後に「パリのアメリカ人」や「ラプソディーインブルー」などの作品で知られるガーシュインです。ガーシュインはある時ジャズとクラシックの融合した音楽、(いわゆるシンフォニックジャズ)の作曲に挑戦しますが上手くいきませんでした。そこで、何かしらのアドバイスをもらおうとラヴェルの所に会いに行きクラシックの作曲技法を教えて欲しいと弟子入りを志願しましたが、「君は既に一流のガーシュインなのだから二流のラヴェルになる必要は無いでしょう」と断られてしまったそうです。(格好良いですね笑)
 しかし当のラヴェルはアメリカ演奏旅行の際、ガーシュインに伴われて通い詰めたニューヨークのナイトクラブで触れた音楽に感銘を受け、自分の作品にちゃっかり反映させていいました。それがこのヴァイオリンソナタより第2楽章「ブルース」でした。

 ヴァイオリンのピッチカート(弦をはじく奏法)から始まり後からピアノがそれを引き継ぎます。その上で演奏されるスイングを思わせるリズムと旋律は、どことなく気だるく感じます。のち、ピアノに現れるパッセージでは「ジャズを弾いているのに、イマイチ成りきれない」といった印象の音楽に、もどかしさを感じますがそれも魅力的。そしてだんだんテンションが上がっていくと、とうとう音楽はシャウトします(笑)すごく高揚感を味わえる一曲です。二楽章にこの『ブルース』を置いたラヴェルは、やっぱり天才なのだなと思ってしまいます。

 ジャズのイディオムがふんだんに盛り込まれた非常に面白い作品です。コテコテのクラシック作曲家がジャズを書いてみたらどう成るでしょうか?是非聴いてみてください。
(※今回の演奏会ではヴァイオリンパートをチェロ用にアレンジして演奏しました。)

2017年2月26日(日)

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