第41回《生誕100周年に寄せて》L・バーンスタイン:クラリネットソナタ
今年は公私ともに本当に慌ただしく、気づいたら夏になってしまいました。久しぶりの更新です。すみません(汗
さて、今年は色々なところでバーンスタインの作品を耳にします。オーケストラの定期では交響曲や序曲、ウエストサイドストーリーなどたくさんのバーンスタイン作品が取り上げられています。なぜかというと今年2018年はバーンスタインの生誕100周年のメモリアルイヤーだからです。そして今日、8月25日はバーンスタインの誕生日!今回はそんな彼の作品の中から初めて出版された曲、クラリネットソナタをご紹介しようと思います。
曲は2楽章構成で約10分とあまり長くはありません。しかし鋭いシンコペーションのリズムや旋律感は、当時まだ23歳であった若きバーンスタインのエネルギーに満ち溢れています。
第一楽章は近代フランスをも思わせる豊かな旋律とクラリネットとピアノの音色の対比が絶妙なバランスで演奏されます。逆に第二楽章の冒頭ではクラリネットにピアノが溶け込むような音楽が何となく「夜」を連想させ、その後リズムが動き出すと今度は「ダンス」を思わせる生き生きとした掛け合いが音楽を高揚させます。そう、この第二楽章では後の「ウエストサイドストーリー」を思わせるような素材を響きやリズムからたくさん感じる事がでるのです。実に楽しい(笑)
資料によると、この作品は質屋で手に入れたクラリネットを研究して特性を知り尽くしたうえで作曲されたと言われていますが、実際に楽器の特徴を最大限に活かしていると思います。作曲者自身この作品を特に気に入っていた様で、
「クラリネットソナタは出版された初めての作品と言うこともあり、特別に愛着のある
作品だ。このソナタには、いつも誇りを感じてきた。だから今でも学生的な要素が残った作品で有るけれども誇りに思っている」
と述べています。「自他共に認める」というやつですね。それだけ魅力がつまっている名曲だと僕も思います。
ウエストサイドもいいですが、若きバーンスタインのエネルギーを感じてみるのもいかがでしょうか?是非みなさん、一度聴いてみてください。まさに今年が「ききどき」です。(笑)
2018年 8月25日