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第13回《春を感じて》F・リスト:泉のほとりで(巡礼の年第1年スイスより)

 みなとみらいでの仕事が思ったより早く済んだのだので、チューリップ祭りをやっていると言う横浜公園に行ってみました。穏やかな春の風に沢山のチューリップが揺れている光景は、体の疲れも癒してくれる様な気がします。そんな穏やかな風景にピッタリな作品をiPodで探してみました(笑)。

 フランツ・リストの音楽と言うと華やかで超絶技巧なイメージがどうしても先に来てしまいますが、実はとても詩的で内容の濃い作品を沢山残しています。そう行った作品の一つに『巡礼の年』が挙げられるでしょう。1年スイス / 2年イタリア / ヴェネツィアとナポリ / 3年、の4集からなるこの傑作群ですが、特に僕が好きなのが第1年のスイスです。作曲者自身が訪れたスイスの印象を書き留めた作品集はどれも描写的で、彼が見た物、或いは感じた物、その土地の質感などを演奏しながら(聴きながら)感じられる作品集だと思います。
 そして、素晴らしい9曲の中で最も有名なのがこの第4曲『泉のほとりで』ではないかと思います。4分程度の短い曲ですが、その中には様々な魅力が詰まっています。水のキラメキを表すようなパッセージ、其れに乗って聞こえてくる躍動感に満ちた自然の音。その融合から生まれる瑞々しさは何とも言えない魅力となって音楽を纏めています。その繊細な美しさは万人を魅了する音楽だと思います。
 楽譜には次の様な言葉が記されています。


「囁くような冷たさの中で、若々しい自然の戯れが始まる」


 若々しい自然の戯れ。まさに、そんな光景ですね(笑)散歩に丁度良い季節、年度始めの忙しい時期ではありますが、そんな時こそ時間を見付けて街に繰り出そうと再認識した春満喫1日でした。

4月17日(日)

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