第10回《詩仙堂の雨音》ダウラント:リュート作品
1月の終わりに、前々から行こうと言っていた京都・大阪・高野山旅行(予定が合わず流れていた)を遂に実現しました。相方は高校時代の同級生。横浜でレンタカーを借りて夜中に出発し、明け方には大津に到着。そこから比叡山を迂回して大原から南禅寺まで京都の東側を色々と寄り道しながら回った1日目。中でも印象に残ったのが一乗寺近くにある詩仙堂でした。恥ずかしながら、初めてお邪魔する場所でしたが、趣のある佇まいと美しい庭園に癒され、ゆっくりとした時間の流れを楽しむ事が出来ました。又、天気はあいにくの雨で大原の方は未だ雪が残っている程の冷え込みでしたが、そんな冷たい雨がとても似合う場所でもありました。
その時は、特に何も考えておらず、あったのは庭に響く雨音だけでしたが、今その光景を思い出すと(写真を見ると)、なぜか雨音の代わりにある音楽が頭を過ぎります。ジョン・ダウラントのリュート音楽です。
ダウラントはイングランドの作曲家。残した作品は歌とリュート(リュートはルネッサンス期からバロック期に良く使われたギターのような弦楽器)の曲が殆どで、宗教音楽が主流だったこの時代にしては珍しく、世俗的な作風が魅力的です。特にリュートの作品は哀愁のあるなじみ易いメロディーが特徴で、その音楽の傾向は現在のポップスに繋がる部分も多いとさえ感じます。「流れよ、我が涙」や「ファンタジア」「パバーヌ」など有名な曲は勿論ですが、他のどの曲を聴いても心地よい音楽ばかりで、静かな(賑やかではない)音楽を欲している時には最適な選曲です。因みに僕のお気に入りは「forlorn hope fancy」。シンプルな下降音形に痺れます(笑)。
雨の詩仙堂にとてもマッチした音楽でした。皆さんも是非、寝る時のBGMにダウラントのリュート作品などいかがでしょうか?
その後は大阪に泊まり、次の日は朝から高野山へ、山に一泊し帰りは奈良を散策して帰ってきました。色々回れて何とも贅沢な旅、車でないといけない場所も沢山行けて良かったです。それにしても高野山・・・・良かったな〜(笑)
2016年1月31日(日)